2006年08月01日

華族 近代日本貴族の虚像と実像

著者/訳者名 小田部雄次/著
出版社名 中央公論新社 (ISBN:4-12-101836-2)
発行年月 2006年03月
価格 987円(税込)

明治維新から敗戦直後まで続いた“華族”制度にスポットライトを当てた珍しい本。

一般人には、ほとんど想像でしか分からない世界を軽快に描いた好著である。華族は、その華やかさこそ漏れ伝わってくるが、多くの華族を取り巻いた経済的苦しさや、華族ゆえにスキャンダラスに報じられた恋愛事情など、想像の外にある部分がよく分かる。

公・侯・伯・子・男に分類された華族が、より上位の爵位に上ろうとする苦労や、叙爵を拒んだ人たちの様相などは非常に興味深い。

また、華族と軍務の関係や、学習院との関係なども詳細に描かれており、天皇制や昭和史を知る上でも、示唆を与えられる。


2006/07/30読了


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2006年07月22日

4TEEN

著者/訳者名 石田衣良/著
出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-125051-0)
発行年月 2005年12月
価格 500円(税込)

直木賞受賞作。

4人の中学2年生の少年が繰り広げる、ちょっとウブで、でも現代チックな物語。

中学2年生の少年らしく、エロに関する話がかなりの部分をしめているが、いやらしくない。

これほど爽やかな読後感を味わえる作品も珍しいと思う。


2006/07/22読了


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2006年07月21日

博士の愛した数式

著者/訳者名 小川洋子/著
出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-121523-5)
発行年月 2005年12月
価格 460円(税込)

少し機を逸した感はありますが、読んでみました。

パラパラとめくってみると色々な数式が出てくるので難しいかとも思いましたが、スラスラ読めました。

全体として歯切れのよい文体で、かつ、表情や仕草の描写から人物の心情が読み取りやすい作品です。

また、家政婦と数学とタイガースと記憶という、普通なら全く関連付けられないものが見事に融合され、絶妙の構成となっています。

博士の最期が近くなっても、博士にもらったグローブを大切に使っているルートの場面は感動的です。


2006/07/19読了


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2006年07月18日

陰日向に咲く

著者/訳者名 劇団ひとり/著
出版社名 幻冬舎 (ISBN:4-344-01102-3)
発行年月 2006年01月
価格 1,470円(税込)

話題になったので読んでみました。

確かに面白い小説ではあります。構成のダイナミズムや登場人物の描写など、読んでいて面白いと感じます。

ただこの作品、劇団ひとりではなく、ほかの人が小説デビュー作として書いたら出版にまで至ったかどうかは疑問です。このくらいの小説なら、たくさんの小説家希望者が書いていると思います。

テレビや舞台で、他人に聞かれる、見られることを常に意識していると、それなりに面白いものを書けるという典型だと思います。


2006/07/17読了


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2006年07月04日

新説東京地下要塞 隠された巨大地下ネットワークの真実


著者/訳者名 秋庭俊/著

出版社名 講談社 (ISBN:4-06-213354-7)

発行年月 2006年06月

価格 1,470円(税込)


帝都東京・隠された地下網の秘密iconの続編的なものである。


東京の地下に何らかの「謎」というか、正確に言うと、知られていないことがあるというのは事実であろう。本書は、様々な行政資料や議事録などを詳細に検討しており、時間と手間をかけた調査には敬服するが、一部(サンシャインの地下変電所)を除いて、決定的な証拠がない、すなわち実際に知られざる地下施設に踏み込んでいないという点で、まだまだ憶測の域を出ていない。


テーマとしてはかなり面白いので、テレビ局などに売り込んで、衛星からの地下解析をすればすぐにでも分かりそうである。




2006/06/30読了



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2006年06月26日

グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する


著者/訳者名 佐々木俊尚/著

出版社名 文芸春秋 (ISBN:4-16-660501-1)

発行年月 2006年04月

価格 798円(税込)


ウェブ進化論iconに続いて、Web2.0の最先端をいくGoogleのあり様を描いている。


Googleは様々なサービスを提供し続けるが、その根底に流れる思想には少々寒気を感じてしまう。


Googleは本当は何を目指していて、どこに行くのか。




2006/06/24読了



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2006年06月12日

復刊ドットコム奮戦記


著者/訳者名 左田野渉/著

出版社名 築地書館 (ISBN:4-8067-1312-0)

発行年月 2005年08月

価格 1,785円(税込)


絶版となった書籍を復刊することを目的とし、新たなビジネスモデルを構築した著者による奮闘の記録。


復刊ドットコムは、サイト訪問者の投票によって復刊を目指す書籍を決定し、出版者との交渉に入るが、その過程は、現在Web2.0の議論の中で盛んに唱えられている、“ロングテール理論”に依拠している。


こうした新たなビジネスモデルは、そのモデルだけが注目されがちだが、それが成功をおさめる背景には、これまでに蓄積された文化的伝統が欠かせないと思った。




2006/06/12読了



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2006年06月02日

怪しいお仕事!


著者/訳者名 北尾トロ/著

出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-128251-X)

発行年月 2006年04月

価格 500円(税込)


裏カジノ、野球賭博師、悪徳興信所など、普通の人では関わりもないような仕事をしている人たちのルポ。


これらの人たちは基本的にはカタギなんでしょうが、その商売の背後にはほとんどヤクザが絡んでいて、やっぱり一般人としては深入りしたくない世界です。


それにしても、こういう商売は儲かる=需要があるからやっており、需要の多くは一般人。しかし、こういう商売をやっている人たちは常にカモを探しているようなので、あまり関わらないようにした方がいいですね。




2006/06/01読了



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2006年05月31日

実録!平成日本タブー大全 1


著者/訳者名 一ノ宮美成/溝口敦/ベンジャミン・フルフォード/寺沢有/呉智英/ほか著

出版社名 宝島社 (ISBN:4-7966-5317-1)

発行年月 2006年06月

価格 680円(税込)


ヤクザ、新聞拡販、障害者、マスコミとサラ金のもたれあいなど、現在のタブーに切り込んでいる。


タブーとされていることのほとんどには、ヤクザが絡んでいて、なかなか難しいことだと思った。


この本を読んで感じたのは、タブーとされている事象の多くは、少なからず一般市民である私たちの生活に関連しているにもかかわらず、ほとんど情報が流れないために一般市民の関心が低くなり、そのためにその深層が深くなってしまうということである。


しかし、闇社会というのは、恐いと同時に、巧みだと思いました。




2006/05/30読了



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2006年05月26日

「同和」中毒都市


著者/訳者名 寺園敦史/〔著〕

出版社名 講談社 (ISBN:4-06-256968-X)

発行年月 2005年10月

価格 780円(税込)


同和開放運動の中心地であった(ある)京都市における同和行政の実態を描いた著。


全体に京都市の同和行政に対する怒りがこめられている。一部、同和団体への批判もあるが、それ以上に大きいのは、京都市に対する批判。


京都市において同和利権が大きくなってしまった原因は、同和団体の運動によるものではなく、同和問題をアンタッチャブルなものとして扱ってきた京都市の対応・認識に問題があり、そうした認識がなくならない限りは、部落差別の解決も図られないとしている。


著者は、取材をに際して京都市が開示しなかった文書の公開請求や、違法な公金の支出に対する返還請求を訴訟を通じて行っており、単なる取材者ではなく、当事者として本書を著していることが、本書全体の迫力につながっている。


なお、従来から同和問題は“タブー”として扱われてきており、著者のもとには読者から「脅迫されていないか」とか「生命の危険はないか」との手紙などが寄せられているようであるが、そうしたことは全くないという。そして、そのようなことを感じる人々の認識は過去に同和団体が過激な解放運動を行っていたことの名残であり、現在においてはそのような認識は誤っているとのことである。




2006/05/20読了



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